2021年10月13日水曜日

先日の『折々のことば』



 

朝日新聞のコラムです。


「たまたま出てきた染みみたいなものの形が面白いねとか、そういうことではないかと思う。」


書いた人は、吉村萬壱という作家らしい。解説は、鷲田清一さんです。


解説;

自分が綴っている言葉は元々人様から授かったものだし、自分が物語る思想も所詮は誰かのそれの焼き直しのようなものでしかないから、と作家は言う。作家のこの言葉、きっと私の文章のことを言っていると思う人も少なくない。それだって「染み」であるはずなのに、各人がこの自分に宛てられた言葉だと思うところが、面白くて深い。




まあ、解説はともかく、わたしも「自分で考えた事など何もない。」と常々お思っているものですから、「この言葉」に引っ掛かってしまったのです。


わたしが言うこと・書くことは、どこかで読んだ・誰かが言っていたことの記憶でしかありません。自分で考え付いたことは100%ありません。自分で必死に悩んで考えたと思ったことも、すでに誰かがどこかで言っています。


よく、「いろいろなことを知っているね。」と言われますが、それは、単なる何か読んだ物の記憶です。「記憶力が良いね、と言ってください。」てなことです。


そんないろいろな記憶を自分なりに組みなおし、とっかえひっかえ組みなおしていくと言う試みです。つまりそれが、「染み」という事でしょう。


それなりに、面白い形の「染み」を作っていくしかないのです。




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