2017年4月14日金曜日

『愛しのオクトパスーー海の賢者が誘う意識と生命の神秘の世界』



最近面白そうだなあ…と、思った本の題名です。この頃本を読んでないなあ~、と思います。囲碁に夢中だからです。でも、本のチェックだけはしてるわけ。これは、新聞の書評欄での紹介文を読んで書いています。



この本の著者は、アメリカの作家でナチュラリストということ。サイ・モンゴメリーさんです。彼女は、タコに興味を持ち水族館を訪れました。タコは人を見分けることができるらしく、彼女はすぐにタコに気に入られました。タコは好きな人間には腕を伸ばして絡ませるそうです。タコの吸盤には味覚を感じる能力があり、触れて相手の味がわかるのです。その味で誰かを見極めるのでしょうね。なんだかとてもeroticですねえ。吸盤が彼女の腕に吸い付くさまは、さながら恋人同士のよう…、と書かれています。



もともとタコは知能が高いと言われています。少々前の話ですが、サッカーのワールドカップで、スペインのタコが勝敗の予想をしているというニュースが流れたことがありました。もちろん、タコが予想をしているわけではありませんが。水槽に鍵をかけても簡単なものは開けてしまうとか、夜中に這い出して隣の水槽の魚を食べて、朝には自分の水槽に戻っているとか、そんなような話はよく聞きますよね。



この本には4匹のタコが登場します。そのそれぞれが違った個性を持っていることはもちろんですが、それ以上にタコの腕にはそれぞれにニューロンが集中し「脳のような」働きがあるとか。そして、腕それぞれが独立して行動しているので、「内気な腕」とか「積極的な腕」があると言われています。そう言えば、あの図体のでかい恐竜が、手足をその貧弱な脳でコントロールできたのかの答えは、4つの足にそれぞれ脳のような機関がある…と、いうことを思い出しました。



著者は、水族館でこのような聞き取りをし、新しい知性の可能性を感じます。このような話を聞くと、人類が万物霊長であるというのは「驕りである」と、いつも感じます。昔の人は、そのような万物からの知性を感じていたはず。いつの間にか、人類は増長していったんですねえ。神がいなくなって、科学が「宗教」となってしまってからなのでしょうか。








以前、『植物は「知性」をもっている』という本を読みました。植物は植物なりの知性を持っている。それは、人間の「知性の在り方」と異なるので、人間は植物が知性を持っていることを気付くことができないのだ…、という結論。もし、宇宙人が地球に遣って来ていても、人類の知性と異なる「知性」の持ち主であったなら、人間は彼らを知性ある宇宙人と認識することはない。あるいは、できない。つまり、人間は謙虚に我々の知性がこの世で「唯一の知性」ではないと気付くべきである。



あるいは、他の生物は我々人間を利用して繁殖しているのであるとも言える。我々はそれらを利用していると思っているが、逆にコントロールされていたりして…。SFになっちゃったか。






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