2016年4月15日金曜日

後遺症


大学時代の仲間と会ってから、なんだか考え込んで眠れない夜が三日ほど続きました。と言うのは、わたしの欠点のひとつに関係しています。人と会って何か話したことをひとつひとつ総括して、心の抽斗に仕舞うまで落ち着かないのです。

 

今回の問題点は、他の三人はそれぞれ公務員、高校の先生、信託銀行というはっきりした組織で勤め上げた人達で、わたしはというと、フリーの彫金師ということ。彼女達にとっては、わたしは何か「お気楽な」人生を送って来たと写るようで…。「フリー」の仕事は、もちろん自由ですが、自由は「厳しさ」を内包しています。良いところも悪いところも、すべてを自分で引き受けるという厳しさです。組織の中で生きてきた人たちには、なかなか理解してもらえません。

 
 
 

ツラツラ考えると、わたしの家族はみんな「会社」に勤めていない人々です。父は、40代の時、父親から遺産を引き継いで、起業しました。それまでは会社勤めをしていましたが、母に言わせると「ろくでもない怠け者」だったそうです。会社から「自由」になった父は、そこそこに成功しました。わたしの兄は、大学を出ると同時に(あるいは大学時代から)起業して、一度も会社勤めをしたことがありません。バブルが弾けたあとも生き残り、リーマンショックも経験し、厳しい人生を歩みました。

 

わたしの息子は、エロマンガ家です。大学院を出た後、三菱電機に2年ほど勤めましたが、ある時相談されました。「このままこの会社に勤めていたら、未来が見える。」と。ちゃんと安定した人生を送れるけど、会社に行って、仕事をして家に帰る。それだけの人生だって。でも、漫画家になれば(その時には二足のわらじを履いていました。)、未来は見えないけど、夢はあると。それで、自分の人生だから自分で決めればいいけど、わたしの意見は、やりたいこと、好きな事があるなら人生一度なんだから突き進むべきだと言いました。そして、会社を辞めて、漫画家一本になりました。

 

みんなそんなDNAを引き継いでいるのかなあ。

 

 

この一文で「総括」は終わりにして、皆との出会いは心の抽斗にしまいこむことに致します。







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