2015年10月29日木曜日

トイレ事情   (上海滞在記 2003-2005)


みなさんは海外でトイレに困ったことありますか。国によってトイレ事情は様々です。インドネシアやマレーシアでは、トイレットペーパーはなくお水で洗うシステムでした。所謂シャワートイレなので清潔ではありますが、そこら中が水浸しのこともあります。

 

最初に上海にやってきた時、驚いたことのひとつはトイレでした。メイが船中泊を含む海水浴への小旅行に連れて行ってくれました。船で上海を流れる川から海に出て、普陀山に向かいます。有名なお寺があるところです。一緒に行ったメイとその友達たちの目的は、そのお寺をお参りすることだったようです。中国人は信心深いのでしょうか。あるいは、日本人が信心深くないのか。つまり観光でお寺参りをするのは、日本人だけじゃないかと思ってしまう事があるからです。メイはわたしには「海水浴に行くよ~。」と言っていたので、彼女たちの真摯な態度のお寺参りには少々面食らいました。

 

わたしは、海水浴です。八月のこと。先ずは船中1泊、そして現地で1泊、帰りの船中で1泊という予定です。夕方に船に乗って朝普陀山に着くというスケジュールで、今回のお話は、その船の中のトイレの事です。

 

 

船は大きくて設備も整っていました。レストランなどもあります。部屋は二段ベッドが2つあり四人部屋でした。彼女たちが(合計七人の旅。女四人、子供三人)言うには「日本人いっしょだから良い部屋とったよ。」ということ。しかし、部屋にはトイレはなく、共同のトイレです。そこに洗面設備もあり朝、顔を洗ったり歯を磨いたりもできます。

 

そして、当然のことながらわたしもトイレに行く場面に遭遇しました。トイレのある部屋のドアを開けました。「ぎゃ~~~、」心の中で叫びました。それぞれの個室のドアが腰の高さまでしかないのです。トイレの個室が並んでいる側のほうが少し高くなっているので、ドアが腰のあたりまでしかなくとも、トイレの順番待ちの人たちには、トイレの中までは見えませんが……。

 

覚悟を決めてドアを開けて中に入りました。溝が1本ありました。その溝をまたいで用を足します。5個ぐらい個室がありましたが、溝はひとつで5個の個室を貫いているのです。もちろん個室と個室を隔てる境の壁も腰ぐらいの高さです。だから前で「用を足している」人は丸見え。そして用を足した「もの」もその溝を順次流れてくると言うわけです。

 

最初に考えたことは、「どちらを向いてしようか?」でした。どちらを見られる方が恥ずかしくないか、です。

 

「そうだ!一番端の個室に入れば一方向しか見られないで済む。注意するのは、一方向だけだ!」

 

そして、顔を見合わせるのはどうも…、とも。わたしには「日本人か中国人か」をあまり判別できないのですが、彼らは判別できる様なのです。トイレの壁を隔てて顔が合うと、こんなところに日本人がいると、目がまん丸になります。

 

そんなトイレでしたが、その溝は水洗で十秒ぐらいごとに水が流れています。だから清潔は清潔です。だからこんな造りで清潔なトイレってどこが作ったんだろうと、ちょっと興味がわきました。辺りを見回したら、「TOTO」と書いてありました。さすがだね~~~。

 

バリ島のトイレも少々問題ありでしたが、(バリの公衆トイレはドアなし。穴だけ。レストランのトイレはビチャビチャ。紙ではなく水で洗うから)トイレに行かないでおこうと思えば行かなくて済みますよね。でも船の中となるとそうはいきません。

 

 

また次の日、普陀山でお寺巡りをした時にトイレに行ったら、個室の間の間仕切りはありましたが、ドアはなし。そしてもちろん間仕切りは腰までの高さです。わたしが、「ドアがな~~~い~~~!」と叫ぶと、メイは、「はい、はい。だれも見ませんよ。上海でも最近までそうだったよ。」と軽くイナサレテしまいました。

 


 

それでもう一つ思い出したこと。

 

メイとはイギリスの英語学校で会ったのですが、先生推薦の「イギリスの伝統料理」を食べさせてくれるレストランに一緒に行った時の事です。もうひとり日本人の若い女の子が一緒に行きたいと言うので三人で行くことになりました。その帰りのこと、三人でバスを待っている時、帰りのバス停を間違えたらしく、いくら待ってもバスが来ません。あたりは真っ暗に(海に面した小さな田舎町でした)。そしてその女の子がトイレに行きたいと。わたしたちは、いつものようにビールを飲んでいましたから。いろいろあたりを探しましたがトイレは見当たらず。そしたらメイが「その辺でしなよ。わたし見張っていてあげるよ。」と。

 

結局、その子は道端でしたらしいのです(わたしはバス停でバスが来るのを見張っている係りだったのでわかりません)。その時わたしは、メイは何て親切な人なのだろうと思ったのでした。でも、上海の経験で、「何だ!彼女はそういう事に馴れていたんだ。」と思い直しました。

 

上海のトイレ事情については、まだまだありますよ、御不快でなかったら。また次回のお話、と言うことにしましょう。







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