2013年8月13日火曜日

『人類の知性のピークは6千年前?』



少し前、おもしろい記事を見つけました。きっかけは、オープンカレッジの英語の講座。先生は、5~6個の記事を自分なりにまとめて授業をしています。その内容は、まるでstand-up comedy で、まともに論評するとばかを見そうなのですが、そのひとつがあまりにも信じられなかったのです。同じような内容の記事をたまたま朝日新聞のコラムで見つけ、読んでみると先生の言っている事と全然違います。



『人類の知性のピークは6千年前?』という記事。スタンフォード大学のジェラルド・クラブトリー教授が米科学誌セルの関連誌に発表したものです。違うというか、大目に見れば、あまりにも簡素化されていて大事なポイントが抜け落ちている感じです。つまり、先生が説明するには、



人類が森で暮らしていた時には、そこで生き抜くためには非常に厳しい状況だった。そして、人類がそういう生活から脱け出してくると、そこで「生き抜く知恵」を失っていって、段々人類は知性を失っていった。

And so the more comfortable and easy our lives get, the dumber we become. You may consider sending your children to live in the jungle so they may maintain a reasonable level of intelligence…



という結論。もちろん、最後のセンテンスは彼独特のJOKEですが。



ところが、クラブトリー教授の内容は違います。先生に「違いますよ」と言うと、日本の新聞記事ではなく、英語の記事を持ってこいと。彼は、「グーグルで調べたんだ。いろいろな記事があるのさ」と。でも、同じ「スタンフォード大学の研究についての記事ですよ」と言えども、受け付けず。で、英語の記事を検索しました。それで、おかげさまで、おもしろい記事をゲットできたという訳です。





朝日新聞によると、

人類の知性は2千~6千年前ごろをピークにゆっくりと低下し続けているのかもしれない―――そんな説をスタンフォード大学のジェラルド・クラブストリー教授が発表した。教授の論文によると、人類の知性の形成には2千~5千という多数の遺伝子が関係しており、ランダムに起きる変異により、それらの遺伝子は、働きが低下する危険にさらされている。

一瞬の判断の誤りが命取りになる狩猟採集生活を送っていたころは、知性や感情の安定性に優れた人が生き残りやすいという自然選択の結果、人類の知性は高まっていった。

ところが、農耕が広がると、知性や感情の不安定さは生死に直結しなくなって自然選択は停滞。遺伝子の変異が引き継がれるようになった結果、人類の知性は少しずつ低下しつつある、としている。



英語版によると教授は、そのロスはとてもゆっくりだから、現代のテクノロジーの発達のスピードから見ると、その変異を是正する技術も開発されるだろうと言っています。

“We will know each of the millions of human mutations that can compromise our intellectual function and how each of these mutations interact with each other and other processes as well as environmental influences,” says Dr.Crabtree. “At that time, we may be able to magically correct any mutation that has occurred in all cells of any organism at any developmental stage. Thus, the brutish process of natural selection will be unnecessary.”







引用ばかりでスイマセン。実は、この事から考えたことがあるのです。それは、教授の結論、「自然選択を是正できる技術が開発されるだろう」という事について。また我々人類は、自然に関与し、自然から離れていってしまうのかという思いです。



もうひとつ、人類はその厳しい自然環境から脱け出して、本来なら死んでしまう人が生き残れる環境を作り出し得た。つまり、我々人類は、その人たちに関しても同様に責任を持つべきだということです。弱肉強食の世界から生き延びた弱者が共に生き延びる世界、そんな配慮のある世界…です。







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