2013年8月13日火曜日

『英語と旅する』・・・やっと学校に行きますよ!



英語と旅する…の続きです。





��いよいよ学校へ>



いよいよ今日から学校だ。学校へはバスに乗って行かなければいけない。アイリスの説明では埒が明かず、バスがどんなものかがわからないので少々不安だった。覚悟を決めて、とりあえずバスが通るという大通りに出る。それらしいバンに手を振ってみたが、運転手は「ノー、ノー」と言うように手を振って通り過ぎていった。間違えたようだ。次に見たバンはどうかなとは思ったが、前のドライバーが「ノー」と言った顔がチラつきちょっと躊躇していると、向こうから止まってくれた。バスがわたしを見つけてくれたのだ。そうか、アイリスが言うように簡単なことだったのかもしれない。彼等もたくさんのお客さんを乗せたいのだから、道に立っていれば止まってくれるのかもしれないと思いながら、バスに乗り込む。



バスと言っても立って歩ける大型のものではない。ベンチのような椅子が並んでおり、屈んで歩いて、あいている場所に坐る。4列位の細いベンチが取り付けてあった。わたしの後ろに坐っていたおばさんがわたしの肩をたたく。何かと思って振り向くと、小銭を突きだした。反射的に受け取ってしまったが、なんのことかわからない。その小銭を握りしめてどうしたものかと考えていたら、周囲の冷たい視線を感じた。辺りを見回すと、みんな怒っている様子。その内の一人が、その小銭を運転手の方へパスしろというようなゼスチャーをした。それで納得した。みんなはわたしがその小銭をネコババすると思ったらしい。わたしは、あわてて自分の運賃を加えて前の人にパスした。のっけからのタフな経験だった。



次は降りる場所が心配だったが、これは思ったより簡単にいった。窓からあたりの景色に目を凝らしていたら、空港からの運転手が学校を案内してくれた道筋で見た建物を見つけたのだ。それから、会社員風の若い女性たちが二三人降りる素振りを見せたので、ここが街のセンターなのだろうと思い、みんなの後に続いて降りた。



通りに降り立ち、ママから買った地図を見ながら学校を探し始める。この建物だと思ったが、建物に出入り口が見当たらない。前から男性が歩いてきたので、聞いてみることにした。パッリッと糊のきいた白いシャツを着こなした、細身の若い黒人だった。緊張して、恐る恐る聞いたが、相手も緊張している様子なのに気がついた。そうか、わたしはここでは稀有な存在だったのだ。日本人の女性が一人で通りをフラフラ歩いているなんて。名古屋の街で外国人を見るのは珍しいが、ここではわたしが珍しい外国人なのだと気がついた。そういうことかと、妙に納得した。



建物の入口は反対側にあっただけで、その建物はわたしの探している学校だった。やっと学校に到着する。第三の洗礼は、一階はグランドフロアで一階ではないという事。ここはイギリス領だったのだ。二階が一階なのには混乱する。その後も、このことはいつも混乱の種だった。先生が「一階で待っていてください。」と言うと、「一階」に行ってしまうのだ。つまり、教室は「二階」にあった。



一階に上がって行くと、新入生だけが集められた。学校はどこでも月曜日に新入生がやって来て、金曜日に去って行く。だから、今週の新入生ということだ。ペーパーテストとインタビューがあるので、しばらく待っていてくださいと告げられた。集められた部屋には十数人の生徒がいた。大体はヨーロッパ系の人だったが、二三はアフリカ系の人々。英語がオフィシャル言語ではないアフリカの国の人々だ。アジア系はわたしだけだった。



もうひとつここで学んだことは、バッグを教室に置いたままにしてはいけないということ。集められた教室でペーパーテストが行われたが、そのあとのインタビューは、一人ずつ呼ばれて違う部屋で行われた。先生は、「バッグを教室に残さないで必ず持ってくるように。」と言った。気軽にどこにでもバッグを置いて、その場を離れてしまう日本人の習慣はここでは通用しないのかと思う。その後、それは「どこでも」通用しないことだったとわかったのだが。





つづく・・・





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