2013年8月13日火曜日

読み終えました。。。



『A Prayer For Owen Meany』(John Irving著)、やっと読めました。この本の中で、John(この本の主人公)が何の本だか忘れましたが、「二十歳から読み始めて、ようやく40歳で読み終わった」と書いているので、わたしも、「まあ、いいか」っと。多分、足掛け2年くらいかかっていると思います。読んだり、読まなかったりしていたので。



アーヴィングのいつもの如く、30年以上にも亘る人々の「生き様」の物語です。と言って、歴史的な感じはせず、一つ一つのエピソードが積み重なっていって、三十年に及んだみたいな。そして最後の章が圧巻です。今までのエピソードが総て重なり合って、クライマックスにもつれ込みます。不思議な相貌を持ち、すべての人を虜にするような才能と機知を発揮した幼なじみのOwen Meanyが「何者であったのか」が解き明かされます。



とても宗教的な(キリスト教)内容ですが、既成の宗教という感じではなく、すべての人の心にある「何か」を表現しているのでは。



こんなエピソードがあります。Owen Meanyは身長5フィートくらいでとまり成長しませんが、Johnといつもバスケットのダンクシュートを練習しています。JohnがOwenを投げあげて、Owenがシュートします。



When it was so dark at the St. Michael’s playground that we couldn’t see the basket, we couldn’t see Mary Magdalene(聖像です), either. What Owen liked best was to practice the shot until we lost Mary Magdalene in the darkness. Then he would stand under the basket with me and say, “CAN YOU SEE HER?”(彼のセリフはいつも大文字です。彼の特異な声を表わしています)

“Not anymore,” I’d say.

“YOU CAN’T SEE HER, BUT YOU KNOW SHE’S STILL THERE---RIGHT?” he would say.

“Of course she’s still there!” I’d say.

“YOU’RE SURE?” he’d ask me.

“Of course I’m sure!” I’d say.

“BUT YOU CAN’T SEE HER,” he’d say---very teasingly.

“HOW DO YOU KNOW SHE’S STILL THERE IF YOU CAN’T SEE HER?”

“Because I know she’s still there---because I know she couldn’t have gone anywhere---because I just know!” I would say.







“YOU HAVE NO DOUBT SHE’S THERE?” he nagged at me.

“Of course I have no doubt!” I said.

“BUT YOU CAN’T SEE HER---YOU COULD BE WRONG,” he said.

“No, I’m not wrong---she’s there, I know she’s there!” I yelled at him.

“YOU ABSOLUTELY KNOW SHE’S THERE---EVEN THOUGH YOU CAN’T SEE HER?” he asked me.

“Yes!” I screamed.

“WELL, NOW YOU KNOW HOW I FEEL ABOUT GOD,” said Owen Meany. “I CAN’T SEE HIM---BUT I ABSOLUTELY KNOW HE IS THERE!”

��彼等の高校時代の話です。)





引用が長くなりました。しかし、Johnは彼の言った意味を最終章で深く噛みしめることになります。



わたしは無神論者です。でも、そんなこともあるだろうと思います。近代になって「神」が死んで、「科学」が神の地位を手に入れました。しかし、「科学で総ての事を証明しなくてもいいんじゃないか」というのが、今のわたしの心境です。「科学」と「神」は違う次元のことであるばかりでなく、我々はたくさんの違う次元が寄り集まった世界に住んでいるような気がするからです。



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