2013年8月13日火曜日

『日本の歴史をよみなおす』 網野 善彦著



題名通り日本の歴史の本です。しかし、わたしが興味を抱く本はどうもいつも「異端」のようで、この著者も学界のなかでは異端児のようです。彼は「日本は農業国」ではないと言っています。この「日本=農業立国」という誤解から、日本の歴史も間違って解釈されている部分があると。



例えば「百姓」。現在、「百姓」は日本では農民を意味します。ですから、歴史的な資料の中で「水呑百姓」と書かれていると、田畑を所有していない貧しい農民と解釈されてしまいますが、彼によりますと、農業に従事していない(漁業とか林業または貿易業)お金持ちの事も多々あるといいます。しかし、歴史学界の主流は「農民=百姓」であるので、まだまだ、彼の主張は受け入れられていないということです。



百姓が農民ではないという説は、わたしには受け入れやすい物です。それは、もともと百姓というのは、百の姓(私の解釈)で一般の人を指していると思うからです。上海にいた時、いろいろなところに百姓という文字が見受けられるので、不思議に思い、友達に聞いてみたことがあります。彼女は、「普通の人、平民とか言う意味だよ」と教えてくれました。中国での意味はそのようです。この本でも、中国人ならすぐわかるが、日本では違う意味が定着しているので、なかなかわかりにくいと指摘されています。



こう考えて歴史的資料を精査すると、日本は農業国ではなく、いろいろ多彩な職業で成り立っていたとか。これは何故かというと、最初に中国(唐)から「律令制」という日本に馴染みのない制度を受け入れたからだと。この制度は、すべての日本人(その頃のどこまでの人を言うのかはわかりませんが6歳以上)に土地を与え、それに基づく税制を引いたものです。このように無理やり中国の制度を日本にあてはめたので、矛盾点がいつも湧きあがって来るのです。例えば、税金は基本的に「米」で納めるものですが、その他「絹」とか「鉄」、「馬」、「塩」というものもあります。つまりこれは、農業以外の産業も相当進んでいたという証拠になります。



このように律令制が敷かれた。しかし、本来、農地の少ない日本では、農業では暮らしていけない。そして、律令制が乱れてくる。するとまた、時の権力者が税制を立て直すべく、農業中心に改革を進める。その繰り返しです。江戸時代然り、明治維新然り。とにかく、日本は「農業国」でなければいけないようですね。







                         続きます。また後ほど。



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