2013年8月13日火曜日

『オリオン座はすでに消えている?』

上記の題の本を読みました。題名に惹かれたのです。オリオン座の一等星「ベテルギウス」が超新星爆発しているかもしれないというキャッチ。ベテルギウスは640光年離れているので、もしこの過去640年の間に爆発していても気がつかない訳で、その640年目が今年か来年か、はたまた2、3年後かもしれません。



なのでェ……、「えッ、ほんと?もう爆発しちゃって今年にでもそれが見られるの。」と、この題名を見て、早とちりを。読んでみると、実際にはわかりませんが、過去の他の超新星爆発をした星の例から考えると、わたしたちが生きている間に「見られるかもしれない」ということです。もし、ベテルギウスが爆発を起こすと、3、4ヶ月は満月の100倍の明るさで輝き、昼間でも見えます。そして4年後には見えなくなります。



さて、本の内容はと言いますと、とてもシンプルで読みやすいものになっています。わたしは宇宙の話も好きで他の本も読んでいますが、その今まで読んだ本からの知識を一回整理してもらったような…感じです。「わたしたちの」宇宙がいつ、どのようにできたかというお話がとても簡潔にわかりやすく書かれていて、興味はあるが、どうも「わかりづらい」とお思いの方にはピッタリの本と思います。



近年富に、理論上はこうだということも、いろいろな観察機器の発達によりちゃんと証明されるようになってきました。「ヒッグス粒子」しかりです。「まだわからない暗黒時代の謎」というのも興味津津です。ビッグバンが起きて、水素とヘリウムと少々のリチウムが生まれました。それが38万年後に原子として安定したのです。それらの原子から星が生まれることになるのですが、星が生まれなければ光が生まれないので、第1番目の星が生まれる10億年の間は我々には光をとらえられないということです。つまり、光をとらえてわかる宇宙の誕生物語がその期間は知る手段がないという事。それがダークエイジ、暗黒時代と言う訳。



いま南米のチリでALMAという電波望遠鏡が日本、アメリカ、ヨーロッパの共同で作られています。2013年の春に完成すれば、宇宙に最初の天体ができる時の光や電波がとらえられることがでると。これで暗黒時代の謎を解く手がかりが得られると期待されています。また、次世代の望遠鏡も研究されており、暗黒時代に何が起ったのかを知る事ができるようになるかもです。



��999年、ハワイ島のマウナケア山頂に日本の望遠鏡「すばる」が設置されました。この日本の技術が結晶された望遠鏡は、「宇宙の謎を解く」ために世界的にも期待されています。去年の8月、ハワイ島に行った時、見てきましたよ~~~。標高4200メートルのマウナケア山頂に行くには、いろいろな条件、試練が(ちょっと大袈裟)あるのです。そこを乗り越えて(ツアーですが)「すばる」と雄大な夕日と天体ショーを満喫しました。こんな本を読むと、「オオッ、マウナケアに行ってよかった!」という気になりますね~~~。







日本は世界でもアマチュア天文学者が多いそうです。平安時代にも1054年の超新星爆発を見た人がいます。鎌倉時代初期の歌人である藤原定家が残した『明月記』に平安時代の出来事の伝聞として、超新星爆発(客星)のことが記述されています。中国の『宋史』にも客星(一度だけ現れる星)として記述があり、1054年の7月4日から1056年の4月5日まで見ることができたとか。過去から未来まで、人類は星を見ながら思考するんですね~~~。







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