2013年8月13日火曜日

ユニバーサル・ロッジの住人――K氏





K氏に会った時、「英語ではなせ」と言われてムッときたと書きましたが、その後の彼との会話で「いい人じゃん」と思いました。ミキさんの情報網で、彼は47歳と知っていました。それで初めて彼を見た時、ミキさんが言っていた「47歳の金髪の日本人」は彼じゃないなと思いました。ミキさんに「彼じゃないよ~~~」と言うと、「う~~~ん、47歳には見えないけど、金髪だよ」って。「他に金髪の日本人がいると思う?」っと。



なるほど、彼は肩まで髪をのばし、ほんとに金髪です。「茶色の明るいの」という事でなく。2回目に彼と会話した時、彼は「いくつに見える」と聞くから、「あなたのうわさは、ここら中で持ちきりだ。もうすでに知っているよ」と言うと、「言ってみろ」と。で、「47でしょ」と言うと、彼はびっくり。その後、スイス人のパスカルに「あの日本人の女の人、僕に会う前から僕の歳を知っていたよ」と驚いてしゃべっていました。わたしの名前くらい覚えておけよと思いましたが、素直な子供みたいな反応に好印象。



彼との会話でわかったこと。彼はテレビ番組の制作会社に勤めていましたが、中間管理職になってきて、現場から遠ざかり、若手の指導をしなければいけなくなって、仕事がつまらなくなったので独立したそうです。一人で制作会社を運営しているとのこと。だから、こんなに自由に英語学校に何週間もいられるんですね。今、新しいプロジェクトを計画していて、それには自由に英語を駆使しなければいけないので英語を学んでいると言っていました。ネーティブに直接インタビューをしたいんだと。今までどんな番組を作ったかを話していましたが、けっこう私が知っているものもあって、メジャーな人なんだと思いました。



と言って、彼もこの学校に満足しているわけでなく、この学校では英語は上達しないという意見。同感。彼の目的は、サーフィンみたいでした。サーフィンのアクティビティがあるので、絶対ここでサーフィンをできるようになると決心しているみたいです。実際、サーフィン教室の最後の日に「今日、ボードに立って波に乗れた」と興奮して話していました。なんだ、その程度だったんかいと思いましたが、「へ~~~、よかったね。」って。



つまり、季節は秋に向かっていたのです。それで、サーフィン教室はお終いということに。それで、彼はオークランドの勉強できそうな学校に代わろうかと思っていたのですが、学校が、彼がプロのカメラマンで制作会社の人ということを聞きつけて、学校のプロモーションビデオ(ビデオでいいのかな?)を作ってくれないかとのオファーがあったと言っていました。そこで、彼は、あと3週間の授業料を無料にし、サーフィン教室を続けるなら、制作しても良いと言ったそうです。結果は、彼の望むとおりに。やはりキャリアのある人は違うね!と思いました。



彼は、ほんとにノーマルな考えの持ち主で、常識的なんだけど(つまりわたし向きではないという意味)、ちゃんとそれで創作、ものをつくる、書く、ことができるんですね。というか、だから心あたたまる番組ができるのかな。彼の言っていた番組は、泣けてくるような心あたたまるドキュメントでしたから。



彼の常識的なところというと、いつまでも「若くありたい」とのこと。メタボを気にしてのサーフィンだし、朝は早くから散歩しているようだし、笑っちゃったのは(失礼!)、脂肪が燃えるドリンクを持ってきているっていうこと。「毎日飲む分は持って来れなかった、重すぎるよ」ってね。





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