2013年8月13日火曜日

英語学校・・グランダム

『英語と旅する』



第1章  1998年  南アフリカ・ケープタウン





��.英語学校、グランダム (2)



男性教師が部屋に入ってきた。彼はイアンでイギリス人だと言った。握手を求めてきたが、人と握手をするなんて初めての経験でもあった。それからイギリス人に会うのも初めてのこと。彼は30代後半の経験豊富な先生に見えた。ではテストを始めますと、先ずはペーパーテスト。それから、ヒアリング。ヒアリングは先生が文章を読んで、あとでそれについての質問に答えるというもの。ちょっとヤバイなと思う。わたしは、なぜか数字と固有名詞を覚えることができないのだ。その文章の内容は、高層ビルで火事が起こり、消防士が駆け付け、人々が避難するというものであった。「消防士はどのように駆けつけたか」とか「人々はどうやって非難したか」という質問に続き、「何階で火事が起こったか」の質問に、う~ん、二十何階だったけど、何階だったっけと、やはり記憶があいまい。「20+何階かです。」と答えると、彼は、ニヤッと笑って、「まあ、いいでしょう」と言った。テストが終わり、スタッフが話しに来るのを待つようにと言って、彼は出ていった。



これでは「体験クラス」ではない。またはめられたのかと思って待っていると、同じスタッフが現れた。採点するのに少々お時間を頂きましたとの言い訳。

「いい成績ですよ。初めてでこのクラスの人はいませんよ。」と言った。

「ほんとですか。どのクラスですか。」

尋ねてみたものの実はクラス分けのルールなど知らない。以前の学校は小さかったので、正式なクラス分けなどはなく、おおまかなレベルで分けられていただけだった。

「ビギナーズクラス、初級クラス、プレ・インターメディエット、インターメディエット、アッパー・インターメディエット、アドバンスクラスがありますが、プレ・インターメディエットになります。」と。

そんな「プレ・インターメディエット」なんて言葉を聞いたこともなかったので、舞い上がってしまって「オオッ、」という感じだった。それから、あれよあれよと言う間に、契約書だなんだかんだと話はまとまって、入学することになる。グランダムという名の学校だが、倒産して今はない。





学校の初日、なんだかドキドキしていた。あんなにたくさんの先生の、どの先生が今日の先生なのかと楽しみでもあった。学校に着くと、フロアにはたくさんの生徒がいた。みんな落ち着いた感じで、先生と談笑したり、生徒同士話したりしていた。いつもの通り、昼間のクラスを取ったのだが、大きな学校で場所も駅の近くと便利な場所にあったためか、学生や若い人たちで賑わっていた。





つづく・・・・

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