2013年8月13日火曜日

これが最後です。

World Without End





漸くすべて読み終えました。全てが収まるところに収まって、メデタシめでたしと言うところです。悪い奴は全部死んだり、遠くに追いやられたりしてキングスブリッジの町に再び平和が訪れました。メインの登場人物たちは自分たちの夢をかなえ、その子供たちは自分のやりたい道(夢)を突き進み始めました。



お話はいろいろな要素が含まれていますが―――例えば、王家の陰謀、教会の腐敗、ペスト、階級差別あるいは男女差別―――ちょっと盛り込みすぎと言う感が。そのひとつずつで一冊の本が書けそうです。つまり、具だくさんで味が薄い感じ。



その中で男女差別について、



その時代の(14世紀のイギリス)男女差別について全然文句を言うつもりはありませんが、その時代の女主人公が今と同じことで悩んでいる(小説だということは重々承知の上)とはね。著者も何故このことをメインのストーリーとして取り上げたのかが少々疑問です。つまり、この話にはいろいろなカップルが現れてそれぞれの道を歩んでいく道のりが描かれているのですが、一貫して登場するメインのカップルが女の人の方の「なぜ女は結婚して夫の言う事をきき子供を育てるために自分のやりたいことを我慢しなければいけないのか」という疑問で結婚に踏み切れないのです。



男の方Merthin は二人が愛し合っていることは確かなのになぜ結婚できないのかと恋人Carisに迫ります。Carisは医者になりたいのですがその時代は男の人しか医者になれません。薬にも携われません。彼女は町の薬剤師Mattieに薬草の知識の教えを受けますが、そのMattieは魔女の嫌疑がかかり(薬草を扱って人の病気を治していたが故に)出奔してしまいます。Carisはやりたいことはあるのに「女である」ことで望みが叶えられません。



MerthinはCarisに何がしたいのかとききます。Carisは「わからない」と答えます。では、やりたいことがわからない=無いのに、何故結婚できないのかとMerthinは言います。彼の夢はイギリスに世界で一番高い塔(カセドラルの)を建てることです。Carisは自分のやりたいことがないなら、彼と結婚して彼の夢を支えなければいけないのか。Carisは彼と結婚しても屈辱的に夫の言うことだけを聞く事にはならないとはわかっています。彼は他の男と違うと。でも、再三再四の彼のプロポーズにも「イエス」と言えません。Merthinは一生彼女の愛人として過ごす訳にはいかないと彼女に伝えます。最後通牒です。結婚できないなら他の人と結婚して子供をもうけると言います。この関係がずっと続いていきます。Carisが結婚してもいいなと思うと何かが起こると言ったような。Merthinの方はその間他の女の人と結婚もします。



わたしが言いたいこと。



男の人は、どんなに「いい人」でも「女が結婚できない」と言う事を理解できない。男にとっては結婚=人生ではない。女にとっては、結婚=人生にするしかない。つまり、子供を産み育てなければいけないから。男は自分に夢、やることがなくともお気楽に暮らしていくことができる。女は自分に人生の目的がないなら何故結婚して子供を育てないのかと言われる。



それならば、



何故、女は「子供を産めば」社会に貢献したと認識され仕事をしなくとも「生涯の保証を確保できないのか」?人類のサバイバルに貢献したのだからその権利はあると思う。これはある意味反フェミニズム思想ではあるが。







で、ひいては男女問わず「人はただこの世に生きているだけで社会に貢献している。」と、わたしは主張したい。



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